原発いらない栃木の会総会&講演会に参加(環境問題を考える会)
公開日:2025年06月03日 最終更新日:2025年06月19日
2025年2月28日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、「可能な限り原発依存度を低減する」との文言が削除され、原子力については「最大限活用していくことが極めて重要となる」との記載が加えられました。政府はその理由として、気候変動への対応やAIによる電力需要増への対応、電気料金の高騰を抑えるためと主張しています。しかし、いまだ福島原発事故の被害は終息せず、放射性廃棄物の処分も目処が立たたたない中で、有事の際は格好の標的になる原発に依存しようとする政策は正しいのでしょうか。こうした背景の中で5月17日(土)に「原発いらない栃木の会」の総会&講演会が宇都宮市内で開催され、当会からも多くの有志が参加しました。総会後は、原発の経済問題において第一人者である大島堅一教授による「あるべきエネルギー政策」についての講演がありました。以下、概要を紹介します。
日時 2025年5月17日(土) 13:30〜16:30
会場 栃木県弁護士会館 4F大会議室
総会 13:30〜14:15
記念講演 14:30〜16:30
演題 脱原発こそが明るい未来〜第7次エネルギー基本計画の問題点〜
講師 大島堅一さん(龍谷大学政策学部教授、「原発のコスト」など著書多数)
主催 原発いらない栃木の会
会場の入り口で受付の記帳をする参加者の皆さん
総会の司会を担当する原発いらない栃木の会の丸山理事
主催者を代表して開会の挨拶をする原発いらない栃木の会の大木代表
総会の議長を担当する原発いらない栃木の会の高嶋理事
活動報告や会計報告、次年度の活動計画や予算案を説明する原発いらない栃木の会の野崎事務局長
講演の開始時間には100名以上の参加者で会場は満杯になりました。
講演中の大島堅一さん(龍谷大学政策学部教授)
スライドを使って講演中の大島堅一さん
その内容(要点)は以下のようなものでした。
・はじめに
・第7次エネルギー基本計画と原子力発電
・原子力発電の現状
・原子力推進と国民負担
・原発後始末の時代と再エネ100%社会への展望
・まとめ
大島教授は講演の中で第7次エネルギー基本計画の背景にある問題点を明らかにしました。それは、原発を推進するのは衰退する原子力産業を救うためであること、そのために巨額の国民負担が伴うということです。それゆえ原子力ではなく、省エネ・再エネ中心の新しいエネルギーシステムへの革新的移行が必要になるとも。
講演後は活発な質疑が行われ、会場からの多彩な質問に大島教授は丁寧に答えてくれました。