原発いらない栃木の会総会&講演会に参加(環境問題を考える会)
公開日:2024年06月14日 最終更新日:2024年06月14日
2011年3月の福島第一原発事故によって、私たちは原発事故の恐ろしさを思い知ったはずでした。原発事故によって広範囲に及ぶ多数の住民が長期間の避難生活を余儀なくされ、福島県では避難生活により心身が衰弱して亡くなった災害関連死は2300名に上っています。今も、2万6000人を超える人が避難生活を強いられており、廃炉作業も進展せず、事故により発令された原子力緊急事態宣言は未だに解除されていません。それにもかかわらず、政府は再び原発回帰の方針を掲げ、事故以前から原発を推進してきた政・官・業・学・マスコミの原子力ムラの住人たちも、原発事故などなかったかのように原発推進の姿勢を改めていません。
このような背景の下、当会の会員も多数参加している「原発いらない栃木の会」の総会&講演会が6月8日(土)に宇都宮市内にて開催され、当会からも有志が多数参加しました。講師の青木美希さんは、ジャーナリスト・新聞記者として原発取材をライフワークとしてきました。今回の総会記念講演では、これまでの取材の結果で明らかになった原子力ムラの実態をお話ししていただき、なぜ日本が原発を止められないのかについて語られました。日本の原発をどう考えるのか、今、私たち一人一人の姿勢も問われています。
以下、概要を紹介します。
日時 2024年6月8日(土) 13:30〜16:30
会場 栃木県弁護士会館 4F大会議室
総会 13:30〜14:15
記念講演 14:30〜16:30
演題 「なぜ日本は原発を止められないのか?」
講師 青木美希さん(ジャーナリスト、作家、「地図から消される街」など著書多数)
主催 原発いらない栃木の会
会場(特別会議室)の入口で受付に並ぶ参加者の皆さん
当日の講師・青木美希さんの著書を販売するコーナー
総会の司会を担当する原発いらない栃木の会の丸山理事
主催者を代表して開会の挨拶をする原発いらない栃木の会の大木代表
総会の議長を担当する原発いらない栃木の会の高嶋理事
活動報告や会計報告、次年度の活動計画や予算案を説明する原発いらない栃木の会の野崎事務局長
総会や講演会の前に受付コーナーでの各種署名に協力する参加者の皆さん
会場は130名の参加者で満杯になりました。
講演のはじめに自己紹介する講師の青木美希さん
講演中の青木美希さん。講演は以下のような内容がスライドで示されました。
・世界のマグニチュード6以上の地震の2割が日本近郊で発生。
・福島第一原発事故の最悪シナリオは250キロ圏内が任意避難区域だった。
・能登半島の志賀原発で明らかになった避難問題。
・東日本大震災の避難者は今も数万人。住宅提供打ち切りで生活は厳しい状況に。
・福島原発から20キロ以上の人は住宅提供を打ち切られ、避難は自己責任。
・なぜ日本は原発をやめられないのか。推進する人たちで作る「原子力ムラ」。
政官業学メディア、それぞれが既得権益を守る。都合の悪いことは書かないメディア。
・「核兵器と原発」原子力専門家「核には核でというのが常識」
・この国は3.11をまたやろうとしている。沈黙は現状を追認すること。転換するために発言を。(保坂展人氏)
・エネルギー基本計画の改定は今年。脱原発か、次の事故が起きるのが先か。
講演の後半、双葉町から避難中の北村雅さんが特別ゲストとして紹介されました。
北村さんは元双葉町の社協職員で、当時デイサービスの高齢者を避難させることに尽力したそうです。
今回の講演には著書の販売促進のため講師の息子さん(高校生、左隣り)も同伴しました。
講演後、活発な質疑が行われました。会場からの質問に丁寧に答える青木美希さん。
講演会の後、宇都宮市内のイタリアンレストラン「ヴィーノ・ロッソ」で講師との懇親会も行われました。
ここではマスコミ界の裏事情の話なども聞くことができました。