県南広域的水道整備事業への対応に関し下野市との面談に参加
公開日:2024年04月18日 最終更新日:2024年04月23日
当会も参加する「下野市の水道水を考える市民ネットワーク」は県南広域的水道整備事業に関する栃木県との協議結果(2024/1/9)を踏まえ、2月5日(月)に下野市役所にて市の水道事業に関し坂村市長ほか関係職員との面談を行いました。多忙の中、協力いただいた市長や関係職員の皆さんに感謝し、以下に概要を報告します。(公開文面については市総合政策部の承認済みです。)
日時 2024年2月5日(月) 17時〜18時
場所 下野市役所 201会議室
下野市側出席者(計8名)
・坂村市長、江連副市長
・総合政策部:伊澤部長、米井課長、北野課長補佐
・建設水道部:保沢部長、神戸課長、伊沢課長補佐
市民ネット側出席者(計7名、敬称略)
・中里代表、益子事務局、中村、仲村
・村尾市議、加藤市議、他1名
面談結果の概要
1.1/9(火)栃木県と市民との協議結果の報告(市民ネット・益子)
(詳細は席上配布した別紙資料による→下記の添付資料参照)
2.県より依頼された用水条件検討の進捗と日程見通し(建設水道部・保沢部長)
下野市の各水道施設の状況や取水量、配水量等のデータは収集済みであるが、基盤強化を踏まえた分析・検討ということでなかなか進んでおらず、まだ結果がまとまっていない状況である。日程についても、現時点では見通しが立っていない。
3.栃木市・壬生町との情報交換・連携状況(江連副市長)
2市1町の協議については、県から給水単価が提示された後に、各市町において提示された用水条件の評価を行い、その結果を基に協議を行いたいと考えている。よって現時点では2市1町で情報交換や連携をはかるような協議には至っておらず、栃木市・壬生町の意向についても把握はしていない。
4.下野市の水道施設老朽化の現状と今後の対応、予想コスト(建設水道部・保沢部長)
水道施設の中で20年以上経過したものについては更新計画に基づいて検討中。井戸の中には一部硝酸態窒素や濁りの問題もあるので新規整備を進めている。配水場については、石橋の配水場(S48年完成)が老朽化しているので、今後建て替えの検討が必要と考えている。配水管については、塩ビ管や石綿セメント管の敷設替え工事を行っており、今後は配水管の耐震管への敷設工事も行う。予想コストとして、いま年間3〜4億円の更新工事を行なっているが、今後は石橋の配水場建て替えや井戸の新規整備も必要なので、収支状況や物価上昇によっては水道料金の改定も必要になってくると思われる。
5.以上を踏まえた県南広域的水道整備事業に対する下野市の方針(江連副市長)
行政の役割として重要なのは、市民が生活する上で欠かすことのできない水道水を途切れることなく提供することと考えている。そのためには、表流水は地下水に比べてリスクが高いという議論ではなく、井戸水においても何らかのリスク(水質汚染等)が存在するのであれば、リスクを回避する手だてを講じ、問題解決に当たることが行政の務めであると考えている。リスク分散の観点から多様な水源確保を検討して行くことは当然と考える。それとともに、持続可能な行財政運営を継続して行くため、県南広域的水道整備事業による新たな負担や水道料金への影響についても十分配慮して行く必要があると考えている。これまで本市がこの事業に関わってきた経緯も踏まえながら、将来の本市の水道事業において市民にとって最良である選択ができるよう、今後とも慎重に検討して参りたい。
以下、質疑応答と意見交換の要点
(益子)県との協議結果は報告した通りだが、これについて質問や意見はないか。
(市側)(質問も意見もなし)
(中里)水道水の一部を表流水に替えることの妥当性について市はどのような検討をしたのか。
(副市長)県が説明している通りであり、リスク分散の観点から市も同じ考えをしている。
(市長)安定した水道水を提供するのが水道管理者の責務。最終的には市民の納得できる判断をしなければならないが、これまでの経緯もあり、県からの給水単価等も必要なので、検討はさせていただきたい。最終判断についてはもう少し時間が欲しい。無駄な投資をするつもりはなく、参加を決めたわけではない。
(中里)この事業計画が何年もかかっているのは急を要しない、必要がないからではないか。多くの市民が反対しているし、財政的な負担を考えても早めに参加中止を部会で表明していただきたい。
(総合政策部長)まだ参加すると決定したわけではない。井戸水にも何らかリスクがあることを考慮し検討してもらっている。最終的には財政状況や水道料金を見て判断するので、その時にはきちんとした説明が必要だと思っている。
(仲村)下野市の地下水は渇水したことがなく十分ある。表流水の導入はリスク分散よりリスクを抱えることになるのではないか。表流水を売り込む県と市は上下関係にあるのか。
(市長)県と市は対等である。県から言われて無理に参加するわけではない。繰り返しになるが、市民が納得できる形で判断するよう慎重に検討して行く。
(副市長)リスクを取るか、水道料金を取るかの議論を積み重ねて検討させてもらっている。
(中村)昨年のタウントークで、下野市の住みやすさと価値を高める話があったが、下野市の魅力として空気と水が美味しいことは多くの人が認めている。それは下野市の大切な価値であり、みすみす放棄すべきではないと思うが如何か。
(市長)おっしゃる通りであり、市として水の魅力も発信して行きたい。水道事業については、財政的なことも踏まえて市民が納得できる判断をしたいと考えている。それは副市長や関係職員も同じ気持ちである。
(益子)水道施設の老朽化で石橋の配水場が問題とのことだが、それは第1配水場か。第2も同じか。国分寺の配水場はどうか。改修にはどの位の費用がかかるのか。
(建設水道部長)一番古いのは石橋第1配水場で、第2配水場も次に古い。国分寺の配水場は問題ない。改修費用の詳細までは検討していない。
(村尾)前回の水道施設整備計画では、老朽化した配水場の改修に5年間で24億円位かかると書いてあったと思うが、それどころではないということか。
(建設水道部長)その計画はH30年当時であり、その後の物価上昇もあるので、その時よりは高くなると思う。
以 上