環境問題を考える会・第26回総会&記念講演を開催
公開日:2023年08月01日 最終更新日:2023年08月03日
2023年7月23日(日)午後1時半より下野市市民活動センター研修室3において、環境問題を考える会の第26回総会および記念講演を開催しました。総会では下野市の坂村市長から祝辞と激励の言葉をいただいた後、前年度の活動報告と会計報告がされ、今年度の予算、世話人会役員および活動方針が提案されて、いずれも満場一致で承認されました。
小山広域(小山市、下野市、野木町)では燃やすごみの減量化が喫緊の課題です。目標として燃やすごみの量を2027年までに2018年実績から5,000t減らさねばなりません。そのために小山広域組合では新たに指定袋制の導入を計画していますが、重要なのは資源ごみの分 別を徹底することであり、分別方法の見直し(プラごみの一括資源化等)も必要です。これらを踏まえて、今回の記念講演では当会世話人が講師となり、地域のごみ問題を改めて見直すと共に、プ ラスチック汚染を含む環境問題の視点からごみ問題の課題と対応策について解説しました。 また、日本で初めてゼロウェイスト宣言をした徳島県上勝町を視察してきた結果も紹介しました。以下、概要を紹介します。
会場入口に設置された受付(資料の配布、会費・カンパの受付等)
開会の挨拶をする中里代表
来賓として下野市の坂村市長より祝辞と激励の言葉をいただきました。
前年度の活動報告をする益子事務局員
前年度の決算報告をする会計担当の渡辺世話人
会計監査の結果を報告する会計監査担当の村尾世話人
今年度の世話人会役員と活動方針を提案する加藤世話人
記念講演「市民の目線でごみ問題を考える」の第1部として、「環境問題としての地域のごみ問題」を解説する益子事務局員。主な内容は以下の通り。
・ごみ問題は典型的かつ最も身近な環境問題
・ごみ分別とごみ処理フローの現状、小山広域保健衛生組合の紹介
・小山広域と下野市でのごみ排出量の推移
・燃やすごみ減量化の必要性と小山広域組合での対応策
・指定ごみ袋制の導入計画と課題、資源ごみ分別徹底の効果
・廃棄物関連の法体系と容器包装リサイクル法
・リサイクル偏重の限界、3Rの優先順位を見直す
・拡大生産者責任の意義、税金負担から事業者&消費者負担へ
・マイクロプラスチック汚染の深刻化(海洋、水、大気汚染)
・世界のプラスチック汚染対策、全国自治体の取組み
・日本のプラスチック資源循環促進法と全国自治体の対応
・事業者の取組み、市民団体の取組み
・未来のために、市民が今すぐできること
記念講演の第2部として、「上勝町のゼロウェイスト視察報告」を行う加藤世話人。主な内容は以下の通り。
・徳島県上勝町の紹介、葉っぱビジネスの実績
・ゼロウェイストへの道(野焼き、小型焼却炉からゼロウェイストへ)
・日本初のゼロウェイスト宣言
・ゼロウェイストアカデミー、リユース推進拠点
・34分別から45分別へ、分別方法の詳細
・ゼロウェイストセンターの開設
・リサイクル率の実績(Max.81%)、約2割は焼却
・持続可能な町を目指して更なる取組みを継続
講演に聞き入る会場の皆さん。2つの講演後、質疑の時間では多彩な質問や意見が出されました。改めてごみ問題が身近で切実な問題であることを皆で共有しました。
以下は記念講演に参加された皆さんの感想です。(アンケートより抜粋)
・身近な問題についてよく調べている演者と、上勝町の一つのやり方の両方が聞けてよかった。(下野市、Sさん)
・漠然と不安に感じているごみ問題と改めて直面させられた。今後も市民の啓発を図っていただきたい。(下野市、Nさん)
・地域のごみ問題がまとめて報告される機会が少ない中で、身近なごみ問題の報告は市民の役に立つ。特に「未来のために、市民が今すぐできること」は分かりやすい。(小山市、Kさん)
・ごみ減量化のため「市民がいますぐできること」は参考になった。講演を聞いて、特にごみ減量化の必要性を感じた。(下野市、Mさん)
・可燃物に混ざっている資源物が問題。住民一人一人の意識が向上すればごみは減らせる。(下野市、Sさん)
・プラスチック製品の普及で生活は便利になったけど、マイクロプラスチックや有害物質の発生など新たな問題が起きている。完全なゼロウェイストは難しいけれど、人々の意識が大切なのだと思った。(宇都宮市、Nさん)