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結城市水道課と面談、同市浄水場を見学(環境問題を考える会)

公開日:2019年08月15日 最終更新日:2022年04月19日

タイトル 結城市水道課と面談、同市浄水場を見学(環境問題を考える会)

詳細

 結城市の水道水源は元々地下水100%でしたが、茨城県の広域用水事業である霞ヶ浦の表流水を一部導入しています。そこで、当会も参加する「栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク」では、2市1町(栃木市、下野市、壬生町)に関わる県南広域的水道整備事業の参考とするため、結城市水道課との懇談および同市浄水場の見学会を企画しました。それは2019年8月8日(木)に実現し、当会からも有志が参加したので、以下に概要を紹介します。

日時 8月8日(木) 13:30~16:30
訪問先 結城市水道課(結城市駅前分庁舎)
内容 
1)結城市水道事業の現状と広域水道用水供給事業について(事前質問への回答を含む)
2)浄水場の見学(本町および林浄水場)

 今回、結城市が霞ヶ浦の表流水を導入した経緯や水道事業の現状と今後、および浄水場の現場について貴重な情報や体験を得ることができました。結城市水道課の皆さんには多忙の中で丁寧な対応と協力をしていただいたことに対し、改めて御礼を申し上げたい思います。

結城市駅前分庁舎の外観。
テナントショッピングセンター「しるくろーど」が分庁舎になっており、その3階に結城市水道課がある。

面談の会場となった結城市駅前分庁舎3階の多目的ホールに参集した参加者一同。
参加市民を代表して栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットの大木代表が御礼の挨拶。

事前に提出した質問事項および質疑に対応する結城市水道課の皆さん。(右より田中水道課長、星野工務係長)

結城市本町浄水場を訪問。
(結城城跡公園の西隣りに立地)
ここでは地下水100%を水源として浄化処理し、結城市の北部地区に給水している。

同左、着水井の建物。
深さ約200mの深井戸(5本)から取水した地下水をここの着水井に集める。

同左、急速ろ過池。
着水井の水は次亜塩素を注入された後、この急速ろ過池で鉄やマンガンが除去される。(地下水に含まれる鉄やマンガンが多いためで、下野市では不要のプロセス)

同左、配水池の土盛り。
給水は配水塔による自然流下ではなく、配水池からポンプで圧送する。設置当初から配水池自体は土中に埋めている。(下野市のポンプ圧送式配水場は地表に設置している。)

結城市林浄水場へ移動。
ここでは自己水源の地下水に加えて県西広域水道用水供給事業の水(霞ヶ浦の表流水=県水)を導入(全配水量の3割)し、ブレンドして配水している。
前方に見えるのは配水池の土盛り。

同左、急速ろ過池の横を通って着水井の方へ向かう。

同左、殺菌剤として注入する次亜塩素(次亜塩素酸ナトリウム)のタンク。

同左、着水井の水に次亜塩素を注入する装置。

同左、着水井の建物内に入る。

同左、着水井の水面。
これは次亜塩素を注入前のもの。

同左、急速ろ過池の上部に上る。

同左、急速ろ過池を上部から見る。
この中で水に含まれる鉄やマンガンが除去される。

同左、第2配水池。
こちらは後から作られたもので、地中ではなく地表に設置している。

同左、管制室内。
ここで本町浄水場も含む全体の浄水を監視、制御している。
24時間体制で委託先の職員が3名常駐しているとのこと。

同左、監視中のモニタ画面。
モニタ項目は各浄水場の水位、圧力、流量、浄化処理状況、等。

同左、急速ろ過池で使われているろ過剤のサンプル。
最上層にアンスラサイト(無煙炭の微粒子)があり、その下にマンガン砂、砂利の層がある。

同左、小学生の見学用に表示されている「浄水場のしくみ」。
ひらがなで小学生にも分かるように書いてある。

同左、非常用電源のある建物。
出力200KVAクラスのディーゼル発電機で連続3時間運転可能とのこと。
偶然この時、雷の影響で停電になったが、すかさず非常電源が立ち上がり、管制室内の電源が復帰した。

(補足)
結城市が県西広域水道用水供給事業に参加し霞ヶ浦の表流水(県水)を導入したのは昭和60年で、人口増加と共に水需要が増加している時期であり、それなりの理由があったと理解できる。しかし現実に地下水源で渇水が問題になったことはなく、今後は人口減とともに水需要も減少して行くので、結城市としては高価な県水に頼るよりも地下水による自己水源を確保して行きたい意向とのこと。
このことは、栃木県による県南広域的水道整備事業で南摩ダムの表流水を買うことを検討している2市1町(栃木市、下野市、壬生町)にとって、参考とすべき先例と言えるのではないだろうか。

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