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日本地下水学会60周年記念講演に参加(環境問題を考える会)

公開日:2019年05月30日 最終更新日:2022年04月19日

タイトル 日本地下水学会60周年記念講演に参加(環境問題を考える会)

詳細

 下野市を含む県南2市1町では水道水源として100%地下水を利用しており、そのお陰で安くて美味しい水が日々提供されています。この地下水は地域が誇るべき大切な資源であり、保全と有効活用が必要であることは下野市の環境基本計画にも明記されています。一方、栃木県の県南広域的水道整備事業として上記2市1町の水道水源に表流水を導入することが検討されており、市民からは疑問視する声が上がっています。
 折しも去る5月24日(金)東京都内において日本地下水学会60周年記念講演が開催され、持続可能な地下水利用をテーマとして各方面からの講演が行われました。当会からも有志が参加した講演は大変参考になるものでしたので、以下に概要を紹介します。

日時 2019年5月24日(金)14:00~
会場 TKP市ヶ谷カンファレンスセンター8階大ホール
記念講演
テーマ「SDGs 持続可能な地下水利用」
基調講演「SDGsとこれからの取組み」
     慶応大学 大学院 蟹江憲史教授
講演1 企業の取組み「水リスクへの取組み」
     富士フィルムHD(株)CSR Gr. 大貫良子氏
講演2 行政の取組み「地下熱利用の取組み」
     熊本県小国町 政策課 森恵美氏
講演3 教育の視点から1
    「水の環でつなげる南の島のくらし」
     琉球大学 農学部 安元純助教
講演4 教育の視点から2
    「海城中学・高校地学部によるおとめやま公園湧水の調査」
     筑波大学 生命環境群 鈴木泰我氏、他
講演5 「地下水学からSDGsへの貢献」
     日本地下水学会 前会長 谷口真人氏
主催 公益社団法人 日本地下水学会
参加費 無料

 当日は学会をはじめ、事業者や自治体、教育現場からも地下水の保全や活用の取組み事例が紹介され、貴重かつ有益な話を聞くことができました。詳細は以下の画像で紹介します。

当日の会場となったTKP市ヶ谷カンファレンスセンター。
JR市ヶ谷駅から外堀の市ヶ谷橋を渡ったところにある。

会場(8階大ホール)には学会関係者をはじめ事業者や学生、市民などが多数集まりました。

主催者を代表して開会の挨拶をする徳永朋祥氏(日本地下水学会会長)

基調講演として「SDGsを取り巻く状況」について講演する蟹江憲史さん(慶応大学大学院教授)

企業の取組み事例として「水リスクへの取組み」について講演する大貫良子さん(富士フィルムHD(株)経営企画部CSRグリープ)
企業としての節水・循環利用や水資源の保全活動などが紹介されました。

行政の取り組み事例として「地熱資源の活用ー持続可能な町を目指して」を講演する森恵美さん(熊本県小国町政策課)
豊富な森林資源と地熱・温泉を活用した町おこし、環境モデル都市として先駆的に取り組む自治体活動が紹介されました。

教育の視点から事例1として「水の環でつなげる南の島のくらし」を講演する安元純さん(琉球大学農学部助教)
沖縄や宮古島を含む南西諸島には河川水がなく、雨水の地下浸透による湧水が貴重な水源となっている。そのため自然共生と健全な水循環が不可欠であり、硝酸性窒素の削減等、取組み活動が紹介されました。

教育の視点から事例2として「海城中学・高校地学部によるおとめ山公園湧水の調査」を講演する鈴木泰我さん(筑波大学生命環境群)と上村剛史さん(立命館宇治中学・高校)
新宿区おとめ山公園の湧水について、湧水量の経年変化と要因の調査、涵養域と湧出機構の解明への取組みが紹介されました。

最後に「地下水学からSDGsへの貢献」を講演する谷口真人さん(日本地下水学会前会長)
全国都道府県の地下水・表流水依存度や将来の水問題の可能性、持続可能な地下水ガバナンス等、興味深い情報が多数紹介されました。

閉会の挨拶をする杉田文さん(日本地下水学会副会長)
講演はいずれも興味深いものでしたが、質疑の時間がなかったのは残念でした。

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