地域の水道水を考える市民集会に参加(環境問題を考える会)
栃木市、下野市、壬生町の水道水は100%地下水です。そのおかげで、2市1町は安くておいしい安全な水道水を市民に安定供給してきました。現在、水質・水量ともに大きな問題はなく、地盤沈下の原因にもなっていません。
ところが、栃木県は「2030年度に2市1町の水道需要量の35%(最終的には60%)を地下水から表流水(河川水)に置き換える」という方針を打ち出し、これに2市1町の首長は賛同してきました。表流水を導入する表向きの理由は「2市1町で渇水、地下水汚染、地盤沈下が危惧されるので、地下水だけでなく表流水とのバランスが必要」というものです。しかし実態は、栃木県が必要もなく、建設中の南摩ダムの水(日量約35,000㎥(約10万人分))を買うことにしてしまったため、その全量を2市1町に使わせようとしているのです。表流水は渇水や水質汚染のリスクが高いだけでなく、専用施設が水害等の被害を受けやすい弱点があるため、地下水を表流水に替えればリスクが増大する上、水道水がまずくて高いものになります。
下野市では当会も参加する「下野市の水道水を考える市民ネットワーク」が地下水100%の水道水維持を求める市民8,000名以上の署名を集めて市長に提出しており、市政懇談会でも多くの市民から同じ意見が繰り返し出ていますが、「県の方針に賛同する」という市の姿勢は全く変わっていません。私たち市民は「自治基本条例に基づいて市民の声を市政に反映させること」を求めていく必要があります。
こうした背景から、12/11(日)に地域の地下水を考える市民集会が開催され、2市1町を中心に100名以上の市民が参集し、当会からも多くの有志が参加しました。以下、当日の概要を紹介します。
日時 2022年12月11日(日) 14時〜16時半
会場 下野市新石橋公民館(新複合施設内)2階 会議室4&5
プログラム
・背景と経過報告(県の進捗状況)
・各地の視察報告(結城市、川崎市、昭島市)
・栃木市、下野市、壬生町の報告(市民活動、議会)
・質疑、意見交換
主催 栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク
共催 思川開発事業と栃木市の水道水を考える会
下野市の水道水を考える市民ネットワーク
壬生町の水と環境を守る会
当日の会場となった下野市新石橋公民会(新複合施設)の玄関。
この12/3(土)にオープンしたばかりの新しい施設で、設備も最先端。
新石橋公民館の1階エントランスホール。入口では手の消毒と検温チェックを励行。
2階の会場入口に設置された受付。
参加者は出席者名簿に記名した上で集会資料やアンケート用紙を受け取る。
会場は2市1町を中心に予想を超える100名以上の市民で満杯状態。
改めて水道水問題に対する市民の関心の高さが窺えました。
開会を宣言する司会の白石さん(栃木市議会議員)
主催者を代表して挨拶をする「栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク」の大木弁護士。
来賓として祝辞と激励の挨拶をする衆議院の藤岡隆雄議員。
背景と経過について報告する「栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク」事務局の服部弁護士
各地の視察結果について報告する早乙女さん(元栃木県水道課長)
栃木市の市民活動について報告する「思川開発事業と栃木市の水道水を考える会」の須黒さん
栃木市議会の状況について報告する内海さん(栃木市議会議員)
来賓として激励の挨拶をする栃木県議会の野村節子議員
壬生町の住民活動について報告する「壬生町の水と環境を守る会」の篠原さん。
壬生町議会の状況について報告する田部さん(壬生町議会議員)
下野市の市民活動について報告する「下野市の水道水を考える市民ネットワーク」事務局の益子さん
下野市議会の状況について報告する村尾さん(下野市議会議員)
報告事項の後には質疑と意見交換が行われ、会場から多くの質問や意見が出て活発な意見交換がなされました。
当日はケーブルTVの取材もあり、後日「YOU顔マルシェ」で集会の趣旨や様子が放送されました。
この情報は、「環境問題を考える会」により登録されました。