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東京都で唯一深層地下水100%の水道水を誇る昭島市を訪問(環境問題を考える会)

公開日:2022年10月10日 最終更新日:2022年11月25日
登録元:「環境問題を考える会

 県南2市1町(栃木市・下野市・壬生町)の水道水源は地下水100%です。そのお陰で十分かつ安くて美味しい水が市民に供給されています。しかるに栃木県は地下水だけではいけないとして南摩ダムの表流水を2市1町に売りつけようとしています。しかし渇水や汚染、災害に弱い表流水を受け入れれば断水のリスクが高まるだけでなく、市民は高くてまずい水を飲まされることになります。一方、国内には地下水のみで水道水を賄っている自治体が多数あります。その一つとして最近注目されている東京都昭島市を訪問し、行政や市民の話を聞くと共に水道施設も見学する機会を得ることができました。以下、概要を紹介します。

日時 2022年10月4日(火) 13時〜16時
訪問先 昭島市勤労商工市民センター(昭島市民と面談)
    昭島市水道部(行政との面談、水道施設見学)
面談者 小林光吉氏(元昭島市職員、水源連会員)
    昭島市水道部業務課/高瀬氏、公務課/羽生係長
見学先 昭島市東部配水場(水道部と同じ敷地)、他
主催 栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク
参加者 2市1町の市民団体関係者 計17名
   (下野市からは環境問題を考える会等5名が参加)
面談内容 
1)昭島市民による水道事業の説明、意見交換
2)昭島市水道部による水道事業の紹介
3)昭島市水道部に事前送付した質問書への回答
4)昭島市水道事業に関する質疑

DSCN4588.JPG昭島市民との面談の会場となった昭島市勤労商工市民センター

DSCN4590.JPG元昭島市職員で昭島市民の小林光吉さんと参加者との面談

DSCN4589.JPG昭島市の水道事業について過去の経緯と現状を説明する小林さん

DSCN4595.JPG昭島市水道部の正門(市役所庁舎とは別のところにある)

DSCN4594.JPG同上、敷地内に保存されている車井戸と手動ポンプ井戸

DSCN4597.JPG水道局の面談会場ではまず昭島市の水道事業がビデオで紹介された

DSCN4599.JPGビデオ上映の後、昭島市における水道事業の詳細が説明された
(水源は下野市と同じく深層地下水100%、水質が良いので塩素殺菌のみで圧送配水している)

DSCN4600.JPG昭島市の水道事業についてパネルで説明する水道部の羽生係長

DSCN4601.JPG水道部の敷地内にある東部配水場の消毒室を見学

DSCN4602.JPG同上の内部 水質が良いため、浄化処理は次亜塩素酸による消毒のみ(下野市と同じ)

DSCN4603.JPG同じ敷地内にある1号井戸(今も使用しているとのこと)
市内の水源は20本の深井戸で、4ヶ所の配水場から47,800㎥/日が配水されている

DSC_0212.JPG水道部の外周フェンスに並んだ市内小学生のポスター
市民も地下水資源を理解し、その水を大切にしている姿勢が窺える。

DSCN4607.JPGJR昭島駅前に設置された無料の給水スポット 上部に乗っているのは昭島市のゆるキャラ「チカッパー」
マイボトルを持参すれば誰でも無料で地下水100%の水を入手できる。

S__1425470同上、給水スポットと共に参加者で記念撮影

以下、今回の訪問面談で得た感想・所見
・元々多摩地区では多くの市町村が地下水を水源としていたが、S30年代に水需要の急増から地下水位の低下を招いたため、東京都による水道事業の都営一元化計画が策定され、同地区の水道事業は順次東京都水道局の事業運営に移行した。しかし昭島市は地下水のみで安定した水量を確保できているので、一元化への統合を見送り、創設認可から現在まで地下水のみで継続している。
・実は事業認可の際に災害対策として都水の受水契約をしている。これは非常用なので実際に使ったことはない(契約料は毎年負担している)。よって表流水とのバランスが必要という考えはない。
・地下水の保全対策として水源林の保護活動を行なっているが、広域での涵養が重要と考え、水資源保全全国自治体連絡会に参加している。
・昭島市の地下水は深層地下水なので水質がよく、浄水処理は塩素注入のみ(下野市と同じ)。水道料金も低廉な水準を維持している(東京都水の料金は昭島市の1.4倍)。
・同じ深層地下水100%の水道水でも、下野市との姿勢の違いを改めて認識した。下野市には是非とも昭島市を参考にしてもらいたい。今回、丁寧な対応と協力をしていただいた昭島市の皆さんに改めて感謝したい。

この情報は、「環境問題を考える会」により登録されました。

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