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再生可能エネルギー施設を見学(環境問題を考える会)

公開日:2022年08月31日 最終更新日:2022年09月06日
登録元:「環境問題を考える会

 8月27日(土)、当会も参加する「原発いらない栃木の会」主催の再生可能エネルギー施設見学会があり、当会から有志が参加しました。当日の天気は午後から大雨の予報でしたが、幸い殆ど雨に降られず、好天気での見学会になりました。以下、当日の写真と共に概要を紹介します。

日時 2022年8月27日(土) 10時〜17時
見学先
1)那須野ヶ原土地改良区連合の小水力発電所
・那須野ヶ原用水ウォーターパーク(下掛け水車、サイフォン式水車、クロスフロー水車)
・百村第1・第2発電所(カプラン水車、30kw+90kw)
・那須野ヶ原発電所(フランシス水車、340kw)
2)東北電力の地熱発電所(PR館)
・柳津西山地熱発電所(地下熱水による蒸気タービン発電、30,000kw)
参加者 7名(うち当会会員3名)
主催 原発いらない栃木の会

所感
 いわゆる「再生可能エネルギー」の中でも、太陽光や風力はエネルギー密度が小さいため
出力(電力)は面積で稼ぐ必要があります。そのため平地の少ない日本でこれらを大規模に
やろうとすれば自然環境や生態系を損なうことが避けられません。更にいずれも天気任せで
あるため電力の安定供給も出力調整もできない問題があります。
 これに対し、水力や地熱はエネルギー密度が高いので高出力も可能であり、自然環境とも
調和し、電力の安定供給や出力調整もできる利点があります。しかも日本は国土的に水力や
地熱エネルギーの資源に恵まれています。(地熱資源は世界第3位)
 今回、これらの水力(小水力)発電や地熱発電所を実際に見学してみて、これらの日本に
適した再生可能エネルギーをもっと活用すべきではないかと改めて思いました。

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那須野ヶ原ウォーターパークの入り口にある案内板

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ウォーターパークを流れる用水路「那須疏水」(浅底で流速は早い)

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用水路の最下流にある「ガラガラ水車」(下掛け水車、1.8kw, 0.6㎥/s)
大きさの割に出力が小さいのは、構造的に有効水量の制約があるためか。

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ガラガラ水車の上流にある「ぞうさん水車」(サイフォン式プロペラ水車、2.2kw, 1.0㎥/s)
水流に段差を設け、サイフォンによる下降流でプロペラを回す方式。下掛け水車よりは出力が大きい。

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ぞうさん水車の上流にある「ガラ・コロ水車」(クロスフロー水車、16kw, 2.0㎥/s)
構造が見えないが、水流の全域を有効に使えるので、他の水車に比べて出力が大きい。

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小水力発電の研究開発で実績のある中里氏(日大・文理学部教授、当会世話人)の解説に聞き入る参加者の皆さん。

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ウォーターパークから百村(もむら)発電所へ移動。
農業用水路を利用した小水力発電で、第1・第2発電所が直列に並ぶ。(那須野ヶ原土地改良区連合が運営)

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百村第1発電所の水車(型式は縦軸カプラン水車、出力30kw、水量2.40㎥、有効落差2.00m)
第2発電所の3基を含め、同じ仕様の水車が合計4基稼働している。(合計出力30kw+90kw)

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百村発電所の用水路の下流側終端。

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百村発電所から戸田調整池へ移動。ここには那須野ヶ原発電所がある。
写真は展望台から見た戸田調整池の眺め。

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戸田調整池の湖畔にある那須野ヶ原発電所の建屋。ここも那須野ヶ原土地改良区連合が運営)
農業用水路の遊休落差を利用した発電で、型式は横軸フランシス水車(出力340kw、水量1.60㎥/s、有効落差28.00m)

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那須野ヶ原から福島県柳津へ向かう途中、道の駅たじまで昼食をとる。(写真は帰りに撮ったもの)
皆で名物のそばを食べ、地域特産物である新鮮なトマトをお土産に購入した。

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柳津西山地熱発電所に到着した時は小雨に降られたが、心配された大雨にはならなかった。
写真は地熱発電所PR館の入り口(前方奥がPR館、入館は無料だが事前予約が必要)

柳津地熱発電所リーフレット
柳津西山地熱発電所の仕組み(PR館で配布されるリーフレットより)
地中のマグマで高温になった200〜350℃の熱水を深さ1,500〜2,600mの井戸(生産井)から汲み上げ、
その熱水から取り出した蒸気でタービンを回して発電する。タービンを回し終わった蒸気は冷却塔で
冷やされ、別の井戸(還元井)から地下深くに戻される。(東北電力、出力30,000kw)

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発電所の入り口側にある巨大な冷却塔
復水器に溜まる温水をポンプで導入し、外気とファンで空冷する。

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地熱発電所の庭に展示されている蒸気タービンの実物。
定格出力は65,000kwだが、熱水量とのバランスで現在は30,000kwで運転している。

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PR館内でスライドによる説明員の解説を聞く参加者。

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地熱発電は燃料費がかからない、安定した発電ができる等の利点がある一方で、建設コストがかかる、
蒸気中のカルシウムが配管内に堆積して性能低下を招く等の課題もあるとのこと。
なお、温泉との共存については取水深さが全く違うので問題なく、この地熱発電所の建設も地域活性化
として地元の温泉関係者に歓迎されたとのこと。

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日本の地熱発電量は世界9位で、フィリピンやインドネシア、ケニアよりも少ない。日本国内でも
地熱発電所の分布は東北と九州に偏在している。一方、日本の地熱エネルギー資源は世界第3位と
言われているので、もっと有効に活用する余地があると思われる。

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PR館内のギャラリー。マグマの構造や地熱発電・ボーリングの仕組み等が展示されている。

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柳津まで来たついでに、大木代表の紹介で福満虚空蔵菩薩圓藏寺を訪問した。
ここは茨城県東海村、千葉県天津小湊町と共に日本3虚空蔵菩薩と言われ、1,200年の歴史を誇っている。

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虚空蔵尊の本堂。歴史を感じさせる風格がある。境内には巨大な赤べこ(柳津が発祥地)もある。

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虚空蔵尊本堂の舞台から西側を見下ろす絶景。眼下に流れるのは只見川である。

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最後に虚空蔵尊本堂の舞台で参加者全員の記念写真を撮影。皆さん、お疲れさまでした。

この情報は、「環境問題を考える会」により登録されました。

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