環境問題を考える会
                             

南摩ダム建設予定地観察会に参加(環境問題を考える会)

 4月28日(土)、下記による南摩ダム建設予定地観察会に当会の会員有志が参加しました。当日は天候にも恵まれ、現地の貴重な自然・生態系と共に、必要性を疑問視されている長期ダム工事の実態を体感することができました。以下、概要を紹介します。

日時:4月28日(土) 9時〜12時
集合場所:鹿沼市上南摩室瀬(竜神様神社)
主催:思川開発事業を考える流域の会
   日本野鳥の会栃木
   ムダなダムをストップさせる栃木の会
   水環境条例制定ネットワーク

 南摩ダムは50年以上も前に思川開発事業の一環として計画されました。地形的にはダムに適していますが、南摩川の水量は非常に少ないので、肝腎の水は他の川に依存する計画でした。しかし、当てにしていた大谷川は今市市(現日光市)の取水拒否があり、貯水量を半分に変更しましたが、それでも水量の確保は十分と言えず、水収支が成り立たないダムとして疑問視されています。
 利水については、県南市町の水道水の水源に使う計画ですが、対象の2市1町(栃木市、下野市、壬生町)の水道水は100%地下水でまかなっており、水需要量も減少傾向にあります。もし下野市で一部でも南摩ダムの水を使うことになれば、市の水道水はまずくなり、水道料金も跳ね上がることが懸念されます。更に今回観察された貴重な自然の生態系を、上記のようなダム建設で消滅させてよいのかとの疑問があります。
 去る3月13日(月)には、下野市の水道水に南摩ダムの河川水を導入しないことを求める8,369筆の要望署名が市長宛に提出されました。多くの市民の声を市政にどう生かすのか、今後の市の対応が注目されます。
http://shimotsuke.genki365.net/gnks17/mypage/mypage_sheet.php?gid=G0000019&id=26610

朝9時、集合場所となった上南摩町室瀬の「竜神様」社前に集まった参加者の皆さん。
一般市民と子どもも含めて約30名が参加。下野市からは当会の会員が3名参加しました。
同左。出発前に主催者代表として伊藤武晴さん(思川開発事業を考える流域の会)が当日の予定を説明(中央)。左から二人目は弁護士の大木さん(元南河内町の顧問弁護士)。
同左。当日特別参加の小林幹男さん(宇都宮大学・農学部教授)が挨拶。小林先生はタケ類を専門に研究されており、当日は現地の随所に見られるタケやササの解説をしていただきました。
ダムサイト予定地を越えて西の入地区への林道に入ったところで車を降り、南摩川の支流に沿って上流側へ歩き始める参加者。
道路の両側には随所にタケやササの繁殖が見られ、種類も多い。(詳細は下記、小林先生の報告を参照)
マダケの林には食べごろのタケノコが多数顔を出している。これらもダムができれば水没してしまうのは本当にもったいない。
渓流沿いには野生の藤の花が満開。その手前にはコゴミ(クサソテツ)の繁殖も見られるが、残念ながら山菜としての採取時期は過ぎている。
ササの種類と見分け方について、小林教授の解説に聞き入る参加者の皆さん。
路上に野生動物の足跡を発見。
これはシカ?それともイノシシ?
道路沿いに南摩川(支流)が見えるが、小川のように小さく、水量が少なくて干上がっているところも多い。
野鳥の会が発見したオオルリを望遠鏡で見る参加者の皆さん。ウグイスの谷渡りも随所で聞かれた。
南摩川支流の渓流の中で水棲生物を採取する参加者の皆さん。
左の土手に見える道路は水没地域の周辺に作られている林道。ダムが満水になると、この下側は全て水没することになる。参加者からは「多額の建設費をかけて何故このような林道を作るのか」との疑問が出た。
道端の小さな池で見つけたアカガエルの卵と孵化したばかりのオタマジャクシの群れ。卵から続々と生まれるオタマジャクシを見るのは極めて珍しい。改めて貴重な生態系を体験したが、ダムができればこの池も水没する。
西の入林道の支線に入って更に奥に進む。
周りの新緑がまぶしいくらいに美しい。
人工的に設置された植物保全区域。
思川開発事業では環境アセスの結果として、このような移植区域を設けているが、ダムで消滅する自然環境や生態系はこれで保全したことになるのだろうか。
当日観察された野鳥について報告する内田さん(日本野鳥の会栃木)。
観察された野鳥はトビ、コゲラ、カケス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、オオルリ、キセキレイ等。
当日観察、採取された蝶について報告する葛谷健さん(元自治医科大学医学部教授)。
葛谷さんは蝶の権威でもあり、紹介されたのはウスバシロチョウ、クロアゲハ、モンキチョウ、キチョウ、ベニシジミ等。
当日観察されたタケ類について報告する小林先生。紹介されたのは、マダケ、モウソウダケ、アズマネザサ、ヤダケ、オカメザサ、キボウシノ、メダケ等。
当日観察された水棲生物について報告する葛谷理子さん(栃木県環境アドバイザー)。
紹介されたのは、ケラトンボ、カワゲラ、各種カゲロウ等。
最後に、思川開発事業と南摩ダム建設の経緯(問題点)および県南広域的水道整備計画について解説する伊藤さん。
この後、皆で昼食を摂って現地解散となりました。

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